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シニアドッグ・ライフ > 痴呆 |
痴呆は、飼い主にとっても大きなショックになります。 私がまだ幼かった頃、愛犬のフィラリアを殺す注射を獣医に薦められました。 その頃は不治の病でしたので、言われるまま行ったところ、死んだ寄生虫が血管に詰まり、その場で痙攣、倒れて数日さまよいました。 一命を取りとめた後に待っていたのは、右半身麻痺でした。 脳に血管が回らなくなったようで、ほどなく、痴呆が始まりました。 昼夜が逆転、夜鳴き、徘徊、飼い主の事がわからない、こんな症状でした。 それでも家族で介護を続けましたが、完治はしませんでした。 ただその大変さも今となっては大切な思い出です。 ■痴呆 ほとんど完治は出来ませんが、痴呆になるということは長い間ともに暮らしてきた証しでもあります。 出来る事を精一杯してあげてください。 痴呆かなと思う症状 ・昼夜の逆転 ・夜鳴き ・徘徊 ・飼い主、家族を認識できない ・徘徊・壁に頭を当てる・隅に頭だけを入れている ・くるくる回る ・食欲が異常 ・尿を漏らす ・一方的に鳴き続ける ・命令・指示に従わない 痴呆は、高齢・生活習慣病・寝たきりなどに密接に関係があります。症状は人間ととても似ています。 人間の痴呆の場合は、脳血管性痴呆とアルツハイマー型痴呆があります。 脳血管性痴呆 動脈硬化の進行により、「血管が詰まる(脳梗塞)」「血管が破れる(脳出血)」などの脳血管障害が起こります。これを原因として起きる痴呆です。 アルツハイマー型痴呆 脳の神経細胞が減り、脳全体が萎縮することで起こります。詳しい原因はまだ明確ではありません。 犬の場合はアルツハイマー型痴呆ではなく、脳血管変性が多いようですが、痴呆になる犬とならない犬がいます。 また高齢になれば、どの犬にもなる可能性がありますので、特別な病気ではありません。出来るだけ寛容を持って、愛情を注いでください。獣医と相談しながら、犬によっては改善に向かう例もあります。 先に書いたうちの犬は、突然の寝たきりがスタートで、歩けるまでの苦労が大きく、非常にベストな状態が右半身麻痺でした。そのため痴呆が起きても、自然に受け入れることができました。 おそらく介護をした家族に対して、痴呆になる以前の記憶はすべて消え、介護からの愛情が新しく上書きされたようでした。犬の性格は確かに痴呆後、意固地になるとか大きく変わりましたが、体力があったせいか、また獣医が責任感からかなりフォローをしたせいか、痴呆であっても驚くくらいの生活レベルは改善しました。 病院の治療よりも飼い主・家族の愛情が大事です。飼い主・家族が精神的に追い詰められないようなフォローが獣医の大切な役割でもあります。 何度も書きますが、どの老犬でもなる可能性があります。 つまり特別なことではなく、誰でもそのことを正面から受け止めて、できることを精一杯、愛情を込めて、生きるパワーを応援することが何よりも大切だと思います。
■今日から実行しよう ぼけ予防10か条 @塩分と動物性脂肪を控えたバランスの良い食事を A適度に運動を行い足腰を丈夫に B深酒とタバコを止めて規則正しい生活を C生活習慣病(高血圧・肥満など)の予防・早期発見・治療を D転倒に気をつけよう。頭の打撲はボケを招く E興味と好奇心を持つように F考えをまとめて表現する習慣を Gこまやかな気配りをした良いお付き合いを Hいつも若々しく、おしゃれ心を忘れずに I くよくよしないで明るい気分で生活を |