犬だワン・健康クラブ

健康のために > 老犬の腎不全のレポート（安士様ご投稿）


9才のヨーキー（雌）が腎不全と診断されました。
血液の中に老廃物がたまっている数 値が標準３０なのに対し、診断時は１２０もありました。
腎臓の機能そのものを表す数 値はほぼ正常でした。
皮下注射を３日おきに、２週間ほど続けたのですが、一向によく なりません。
それどころか注射の水分が前足の部分にたまり、起き上がれなくなり熱も ３９度出ました。嘔吐があり、食欲が全くありません。今思えばおかしな話ですが、そ の二週間、担当のお医者さんは食事療法とお薬の必要性を全く説明してくれなかったの です。
さすがに２週間注射をして効果が出ないのでお医者さんはメルクレジンという炭 のお薬をくれ、腎臓機能をサポートするというフードのサンプルをくれました。
これで は殺されてしまうと思い、インターネットで腎臓によいというフードとおやつを徹底的 に探しました。

さらに、別のお医者さんを探し、私が責任を持つので注射はせず、お薬のみで治療をし ていただけないか、と交渉しました。
そのお医者さんも注射はしないとだめです、とお っしゃったのですが私は二つの理由からお医者さんを説得しました。
１つめは犬が注射 をあまりにこわがるため。２つめは注射を二週間続けても全く効果がなかったことです。
その頃までには犬はぐったりとし、瀕死の状態といってもよいくらいでした。

私が がんとして引かなかったためお医者さんはあきらめたように、ではお薬のみで、と言っ てくれました。
お薬は胃腸薬を粉砕したものと、炭が主成分のお薬を混ぜたものです。
一包２２０円で一日二回です。

一方、飼い主の私ができることは食事療法です。
それまで大好きだったお肉が一切禁止 され途方にくれましたが、特製のグラタンメニューを開発（？）しました。
好き嫌いの 激しい小さいワンちゃんには得におすすめだと思います。
材料は腎臓用のドライフード と、同じく腎臓用の缶詰、それにお野菜か果物を適宜です。

私の場合、ドッグフードは ３種類用意しました。
ヒルズのドライフードk/d、ウォルサムのドライフードで腎臓サ ポートRENAL、そして缶詰のスペシフィックCKWです。
まず、２種類のドライフードを 粉々に砕きます。
３ミリほどの粒の状態がよいようです。フードカッターがあれば大量 に作り置きして冷蔵庫に保存しておくこともできます。
それを大さじ２杯ほど耐熱皿に いれ、缶詰のお肉を大匙１杯ほど加え好みのお野菜を適宜入れてポロポロの状態になるま で混ぜます。それをオーブントースターに入れ、香りが立つまで加熱して出来上がりです。

香りがよいのと、カリカリにローストされたドライフードに缶詰のお肉が絡む食感がよ いらしく、毎日食べても一向に飽きないようすです。
このグラタンとお薬をはじめたと ころ、症状は劇的に改善し、さらには高かった血中の老廃物の数値も２か月ほどで１２ ０から４１となりました。
腎臓病の治療の基本は皮下注射、とおっしゃっていたお医者 さんもこれにはかなり驚かれ、一体何を食べているのですか、と逆に質問されたほどで す。

いまでは半年前あれほど重症だったとは考えられないほど元気になり、文字通り跳 ね回っています。
現在１０歳になりましたが毛艶も肉付きもとてもよくなり、５，６歳 にしか見えません。
一月ほど前の検査では数値は３１まで下がっていました。
ここまで よくなったので、月一回だった血液検査も今では２ヶ月に一回となりました。しかし、 血液検査とお薬はこの子が生きている限り続けるつもりです。

たしかに食事療法は慣れるまで大変です。
最初の２，３ヶ月はお薬が効いてきたせいで 異常に食欲が旺盛になり、一日に５，６回グラタンをつくったこともありました。
泣き 喚いてご飯を欲しがる犬を見て、こんなに食べさせてよいのか、と手が震えたこともあ りました。
もともと食が細い犬だったのですが今では一日に３，４回は食べます。

しか し元気に遊ぶようになったせいか体重は２．６キロ前後でずっと落ちついています。
こ れは素人考えなのですが、この子はもともと腎臓が弱かったのでしょうか？
以前は吐い たり下ったりと胃腸もとても弱かったのに、腎臓のお薬とほんの少しの胃腸薬をいただ くようになってからは嘔吐も下痢も皆無で、まさに溌剌とした犬になってしまいまし た。

これにはお医者さんも首をかしげるのみです。
長くなりましたが、腎臓病には皮下 注射しかないと宣告されて悲嘆にくれている多くの皆さまに少しでもお役に立てば、と 拙い文を綴らせていただきました。

飼い主として病気になった愛犬に注いでやれるのは忍耐と愛情、そしてやっぱりおカネ （笑）。
でも愛するわが子のため、お互いがんばりましょう。
最後になりますが、おや つにはプリスクリプションダイエットのトリーツ（Treats)がよいです。
最初は嫌がっ たのですが、ジャーキーの袋にしばらく入れておき、ジャーキーの香りを移してやると 喜んで食べるようになりました。
犬の食事療法を成功させるには、香りを活用するのが よいようです。
ご参考まで。

※とても貴重なレポートを有難うございました。メールボックスの不都合で記載が遅れてしまいましたが、多くの方に読んでいただけますようにコンテンツにくわえさせていただきました。ありがとうございました。
ぜひ、皆様のご投稿もお待ちしています。



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