老犬の治療で、気をつけないといけない部分があります。 慢性の持病がある、複数の疾病がある、原因が良くわからないが回復しない、こういう病気の治療は、ほとんど対症療法が中心になります。
つまり、取り敢えず症状をやわらげるわけですが、急性の場合は効果があっても 、慢性疾患は完治にはなかなか到りません。ゆるやかに症状が続いているものを、より強力な薬で急速に完治を目指す事は無理があるからです。
生活習慣病など慢性疾患は、現在、ますます増えていますが、治りにくくなっているのが現状です。 死にいたる病の代表は、がんです。 がんは現在、外科療法・放射線治療・抗がん剤治療の三大療法で治療されます。
早期発見や手術のしやすい部位であれば取り、そうでなければ、放射線や抗がん剤になります。 またこれらを組み合わせる事も多いです。 でもこれらの療法は人間に比べると当然ですが、かなり遅れていますし、その治療を選択したがために寿命が短くなる事も実際は多くあります。
悪い腫瘍は取った。けれど愛犬は死んでしまった… 犬の場合、人間のような情報公開も無く、インフォームドコンセントやセカンドオピニオンなどもまだまだという状況です。
家族にがん患者がいる人とそうでない人とでは、知識による治療選択の差が大きいと感じています。 がんは、進行状況、治療への効果、リスク、予後などを認識するかしないかが大変重要です。
 | 良かれと思う事が、違う結果になるケースもあるわけで。 |
慢性疾患の場合、上手に治療を選択する必要があります。 がんに罹っても長生きする犬もたくさんいます。 がんはがんと免疫で記載した通り、どんな人間にも生じます。
ただ免疫細胞ががん細胞を殺すので発病しないのです。 それが高齢やストレスや食生活などでがん細胞が勝つと、増えつづけます。 犬の自然回復力は人間よりも強いです。
治療は病気の状況、親切な獣医の複数の意見、その犬の体力、治療の効果、リスクや予後、再発率など様々な角度から一番良い選択をして下さい。 特に老犬の場合は重要なポイントです。
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