犬だワン・健康クラブ

犬の読み物 > 虹の橋

天国に通じる路はたくさんありますが、人から愛情を受けた動物は、虹の橋というところを通されます。雄大な自然がそのまま残り、はるか彼方まで、草原や丘が広がっています。太陽の光と豊かな食べ物、おいしい水がたくさんあります。
ここに来ると、まず疲れた身体を休めます。そして遠く離れて遊ぶ他の仲間をまぶしそうに見つめるのです。

病気だったこと、傷ついたこと、苦しかったことが、段々記憶から薄れていきます。今ここにいることが夢なのか、ここで昔を思い出しているのか…

やさしい陽射しが 、身体全体を包み込む頃には、健康を取り戻します。それを待って、仲間が呼びに来ます。草原を元気に走り始めます。友達と思う存分遊び、楽しく暮らします。

彼らは隅まで駆け巡りますが、虹の橋という場所だけが見つからないのです。友達も誰も知りません。でもそこを通らなければいけないという感覚だけはあるのです。

待ち続けないと。
そう、何時だって待ち続けていたんだ。


ある日のことです。懐かしい人がやって来ました。
全てを思い出すと、体は小刻みに震え出し、勢いよく駆け出しました。ふたりは、長い時を経て巡り合いました。喜び、抱き合い、もう2度と離れることはありません。

記憶は戻りました。

その時、大きな虹が足元から、はるか彼方にそびえたちました。二人で渡るために、虹の橋も待っていてくれたのです。

作者不詳 〈駄訳inuda1)

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